dimanche, août 08, 2004

       

haunted

 神社へ続く長い小径を、わきの森の中から幽霊が横切るのを幾度となく見たのだ。それは本当の光景であったかどうかは定かではないが、その夕暮れ時にも、そうして横切るのを見ているのだ。和傘をさした、和装の女性の姿である。
 自室から廊下へ通じる扉を完全には閉めずにおいたら、明け方の薄暗いとき、やはり和装の女性が佇んでいるのを見た。声をかけてしまった。すると彼女はすうっと廊下のほうへすべるようにして動きはじめ、どんどん加速して天井に吸い込まれてしまった。家ではその女の姿について何か語ると、電灯がふっと消えてしまったりする。祇園の霊能者は塩を盛っておけと言ったが、いまではそれもしていない。
 雨の降る日は、住宅街のブロック塀があるような角に気をつけるべきである。そこにはなにかこの世の者ではない、「存在感の薄れた」ものの「端っこ」が見えていたりする。そいつがずっとついて歩くことになる。
 夜の窓辺には、必ずそれがいる。家の中の、どこかでなにか音がしないか。

 

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