mardi, juillet 27, 2004

       

ball in your throat

 喉に異物感があるのに、実際には何も喉にはない。精神力動によってその機序が説明されたヒステリーのうちの一つだと考えられて、ヒステリー球と呼ばれるようになった。固唾を呑むという表現にあるように、喉の感覚は感情の変動と密接な関係にある。数あるヒステリー症状のなかでも、もっとも人気のある症状かもしれない。青年漫画誌の "M" に連載されている心理ネタの漫画に、このヒステリー球が出てきたが、あれは実際に患者の喉に腫脹があるように描かれていた。あんなのは間違いだ。

 魚の骨を喉に引っ掛けたときに、水などを呑んで流し去ろうとしてもなかなか違和感が取れないような経験をした人も多いだろう。腫れがあるという感覚よりもああいう違和感のほうがヒステリー球に近いかもしれない。患者は、たとえばりんご大の異物が喉にあるような感じという報告をすることがあるが、飲食したり、喋ったりするのには通常は不便を訴えない。

 その喉の奥のボールは、さっきわしがお前の口をこじ開けて、お前に気づかれないうちにねじ込んだのだ。そういうお前の態度に業を煮やしたのが始まりで、いろんなものをお前の喉にぐりぐりとねじ込んでいるだけだ。

 

 

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